エカチェリーナ2世(大帝) Ekaterina (ロシア語)

 …「純粋な女」。

  cf. ギリシア語女性名アイカテリネ Aikaterine のラテン語形カタリナ Catharina (実在

  も不明の殉教した聖女)から。

   「純粋な女」の解釈は、ギリシア語のカタルシス kátharsis 「浄化」の形容詞形で

  ある katharós 「純な、清らかな」と同一視されて、後世に生まれたもの。これは聖

  女の高い純潔性や倫理性からのイメージによる。

   別説では、「拷問」(殉教の際、突起の付いた車輪に縛られた)を意味するギリシ

  ア語 aikía が語源。

   さらに別説では、「遠くへ跳んでゆく」(ギリシア神話で、天上・地上・地下の三

  界を支配する女神ヘカテ Hecate に由来)を意味するギリシア語の hékatos から派生

  した hekáte が語源で、「はるか遠くから力を及ぼすもの」と解釈され、「月の光の力」

  とされた。

   ロシア語の愛称はカチューシャやカーチャ Katya 。英語ではキャサリン。フラン

  ス語ではカトリーヌ。ドイツ語でカタリーナ(愛称はキティ Kitty )。